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2022.03.23

三重県立総合医療センター 医療センター連動企画

患者さんの早期離床・社会復帰をめざすリハビリテーション

 

三重県立総合医療センターでは、急性期における早期離床・社会復帰をめざし、
リハビリテーション(以下、「リハビリ」)を行っています。
リハビリは主に理学療法・作業療法・言語療法の分野があり、近年ニーズが高まっています。
今回は、このリハビリを担う彼らの仕事を紹介します。

 

三重県立総合医センターのリハビリ

 

 リハビリと聞くと、骨折などの怪我から復帰するための治療というイメージが強かったようですが、現在は特に心臓や呼吸器疾患で入院された患者さんへのリハビリのニーズが高まっています。

 一般的に、入院となった場合は体力の低下による活動レベルの低下は避けられず、精神面にも影響を及ぼすことがあります。
しかし、リハビリを行うことで、体力の低下を緩やかにすることができます。

 また、三重県立総合医療センターのICU(※)においては、入室後48時間以内にリハビリに取り組み始めます。
これは、早期に体位変換やリハビリを行うことで、長期的な臥床により発症するせん妄(※)や肺炎の予防となるだけでなく、ADL(※)の低下の防止にもなるからです。このような取組により、早期離床・社会復帰に結びつく等さまざまな効果が期待できます。

 三重県立総合医療センターのリハビリは、経験を積んだリハビリスタッフだけでなく、医師や看護師、栄養士等たくさんの職種が連携し、少しでも早い患者さんの社会復帰を願い、笑顔でのサポートを心がけています。
患者さんも積極的かつ自主的にリハビリに取り組んでいただけたらと思います。

 

※ICU…集中治療室 ※せん妄…一時的に意識障害や認知機能が下がる状態 ※ADL…日常生活動作

 

 

 

 

がんリハビリについて

 リハビリテーション室で何か貢献したいとう気持ちがあり、講習や準備を重ね、やっと10年前にチームを立ち上げることが出来ました。がんリハビリと聞くと〝緩和〟目的と思われるかもしれません。もちらん緩和的リハビリも行いますが、がんの手術をした後に在宅生活するための体力づくり等を行っています。
「術後間もないうちにリハビリを行っていいのか」と思われる患者さんもいらっしゃいますので、十分理解していただけるような説明を心がけるとともに、主治医や看護師と情報共有を行いながらサポートいたします。

 

がんリハビリの今後

 現在がんは、手術や治療を行うことで、日常生活に戻ることができます。しかし、発症前と同じ生活状態に戻ることが難しいことも多く、新たな悩みが発生してしまう患者さんはたくさんいらっしゃします。そこで作業療法士「OT」(※)の出番です。患者さんが今後どのように生活をされたいのか、どんなことを大切に思っていらっしゃるのかをお聴きしその思いを叶えるためにサポートすることが我々の仕事です。
 退院後の生活に不安をお持ちの患者さんのお役に立てることが今の目標です。

 

NICUについて

三重県立総合医療センターではNICU(※)病棟でもリハビリに取り組んでいます。主治医からのリハビリの指示により早産児や低出生体重児に対して成長発達を促すため、主治医や看護師の協力のもと行っています。

※Occuqational Therapist。
Occuqational=活動、作業、業務などを意味する。

※NICU…新生児集中治療管理室

 

嚥下リハビリについて

三重県立総合医療センターでは「食べられない」「飲み込めない」等の摂食・嚥下障害をお持ちの患者さんのために、医師、看護師、栄養士、薬剤師、言語聴覚士等の多職種が参加する嚥下チームで関わっています。
摂食・嚥下障害の年齢層は幅広く、小児から、高齢者までとさまざまです。小児は、その後の成長に関わってくることでもあります。また高齢者にとっては、口から食事が摂れるということが転院や退院の重要なポイントとなっています。

 

食べることの重要性

食べることは、単に「必要な栄養を取り入れる」というだけではなく、食べることにより美味しいと感じたり、家族や大切な人と一緒に楽しい時間を過ごせる等、日々の生活においてとても重要な意味があると考えます。このように生活の大切な部分である「食べる」ことをサポートできることは、言語聴覚士としてもやりがいを感じ、今後もそのことを大事にしながら患者さんと関わっていきたいと思っています。


三重県立総合医療センター リハビリテーション室のみなさん

 

三重県立総合医療センターで実施している疾患別リハビリ

運動器リハビリテーション

変形性関節症術後や骨折術後の患者さんに対し、関節の可動域の拡大を図り・筋力の回復を援助し、歩行やADLが円滑に行えるように術後早期より介入します。
3名の運動器認定理学療法士がおり、そのメンバーが中心となり、股関節や膝や肩等の関節可動域(曲げ伸ばし等)、弱くなった筋力強化訓練、歩行訓練を実施しています。

 

脳血管リハビリテーション

脳梗塞、脳出血等発症後の患者さんに対して、麻痺された上下肢の運動機能を促したり、平行棒等での歩行訓練、話すことや食べる等の訓練を早期から実施します。
また脊椎脊髄外科を有しており、頸椎症や脊柱管狭窄症の術後の方にも積極的に介入しています。

 

呼吸器リハビリテーション

北勢呼吸器センターを有しており、呼吸療法認定士の資格を有するスタッフが中心となって、肺炎等で臥床を強いられた患者さんに対し、主治医と連携して、早期からサチェレーションモニターを用いての歩行訓練や呼吸に必要な筋肉の強化等の運動療法を実施し機能の改善を図っています。

 

心大血管疾患リハビリテーション

急性心筋梗塞や狭心症、開心術後の患者さんに対し、再発・再入院防止のため心電図モニターを装着しての歩行訓練や自転車エルゴメーター等の運動療法等を実施し体力・機能改善を図るとともに、動脈硬化や心不全の病態進行を抑制あるいは軽減を図ります。
また、心臓の状態を説明しての在宅動作指導を実施しています。

 

がんリハビリテーション

がん患者さんの術後の後遺症や治療の副作用、合併症等を注視しながら体力維持・強化を目的とし、持久力の強化訓練等を実施しています。三重県立総合医療センターは「周術期リハビリテーション」と「緩和リハビリテーション」があります。

 

 

リハビリテーション室の期待の若手スタッフに仕事に対する思いなどを聞きました! 

理学療法士を目指すきっかけ
小学2年生からテニスをしていました。中学2年生のときに腰を痛め、1年ほど理学療法士の方にお世話になったことがあります。テニスはできなくなってしまいましたが、当時の辛かったとき親身になって支えてもらったことで、当時の自分と同じように苦しむ患者さんの役に立ちたいと思い理学療法士をめざしました。

仕事を始めて感じること
想像以上に忙しい毎日ですが、なんとか頑張っています。仕事をしていて自分の知識不足を感じることも多いですが、自分で勉強するとともに先輩方に相談し、アドバイスをいただきながら取り組んでいます。リハビリテーション室の雰囲気は非常によく、先輩方への質問や相談もとてもしやすく助かっています。

今の目標
目の前にあることを1つ1つ一生懸命に頑張ろうと思っています。上手くいかないことも多くありますが、リハビリを実施して患者さんに喜んでもらえたり、楽しんでいただけるととても嬉しく、やる気にもつながります。患者さんに寄り添ったリハビリを実施できるように頑張っていきたいです。

 

理学療法士を目指すきっかけ 
実は、高校生になるまでやりたいと思えることが見つかっていませんでした。部活動の野球を通して、高校時代に体の使い方を学ぶ機会があったことやケガにより通院したことで、体に関わる職業に興味を持ったことがきっかけです。今となってはやりがいもあり、責任もある大事な仕事だと感じています。

仕事を始めて感じること
仕事を始める前も実習として患者さんと触れ合う機会がありましたが、当時はまだ学生気分でした。実際働くと、想像よりも責任が大きいことを痛感しています。自分のリハビリで患者さんの状態や離床のスピード等が変わるため、患者さんの役に立つためにはもっと勉強や経験が必要です。
1年目はとにかくがむしゃらに頑張っていましたが、2年目からは必要な知識を身につける等して、スキル向上に努めていきたいです。

今の目標
三重県立総合医療センターは急性期の病院のため、入院は治療がメインです。
そのため全身状態や治療が落ち着いた患者さんは、リハビリがメインの回復期病院へ退院または転院していただくことになります。中には転院等の際に別れを惜しんでくださる患者さんもいらっしゃいます。当然のことですが、リハビリを行う際の主役は患者さんです。患者さんにやる気を出していただくために接し方にはとても気をつけているつもりです。そんな思いが伝わったと実感できる瞬間です。まだまだ技術的にも学ぶことがたくさんありますが、これからも気持ちの込もったリハビリを行い患者さんとの関係を作っていきたいです。

 

 

取材協力

地方独立行政法人
三重県立総合医療センター

〒510−8561
四日市市大字日永5450-132
TEL 059-345-2321(代表)

 

 

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