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2024.02.19

歯科・口腔からはじめるアンチエイジング Vol .15

歯科・口腔からはじめるアンチエイジング Vol.15

 

 

 

 5月の連休明けよりコロナ感染症が2類から5類に移行したことに伴い、マスク着用の義務もTOPによっての判断に委ねられるようになりました。その流れの中で歯科的にもあるげんしょうが静かに起こっているように見受けられます。

 

 ほとんどのシーンでマスク着用が推奨されていたせいで、人から見られないですむため歯の欠損を放置してきたが、そうもしていられなくなってきたということで重い腰を上げて歯科医院に受診する方が少しずつ増えだしたという現象です。

痛みを伴う場合は早めに受診されるところが、歯の欠損だけですとマスク着用で隠せるがゆえに歯科への受診、治療が後回しになってしまっていたということでしょう。

 

 しかし歯の欠損を長く放置していた場合、歯科に受診してすぐにその主訴が1回や2回の通院で、元あった歯が復元できるわけではありません。また、歯の欠損を放置することで、思わぬところで欠損部の補填だけでは済まない状況を口腔内に作り出していることが、歯の欠損を数か月から年単位で放置しているほとんどの方にみられます。

 

 

 

 

 歯の欠損を治すべくこれから歯科受診しようと思われている方に、治療の期間や必要性への心構えの指針になるよう、歯の欠損の放置による悪影響を整理してみましょう。

 

 

 

 

 

1.隣在歯の傾斜

 それぞれの歯は、隣り合う歯と接触して歯列を保っています。上下の歯がかみ合わさるときに、隣り合う歯と歯がお互いに支えあうことにより歯の一を保っています。ところが部分的に歯を失ったままで放置していると失った歯の両隣の歯が支えがなくなったフリーの方向へ次第に倒れてきます。その結果、倒れてきた歯のそのまた隣のはとの間にもスペースが開いてきて食べ物が挟まりやすくなったりもします。

顕著だと、45度以上傾いてしまう場合もあります。

 

 

 

 

2.対合歯の挺出

 食べ物を咀嚼するときだけではなく、発音するとき、唾を飲み込むときなどでも上下の歯は接触しています。この適切に咬合接触していることにより、本来の歯の位置は保たれています。ところが歯が欠損した対合の歯は対合する歯からの接触の刺激がなくなって伸びてきていしまいます。顕著だと相手側の歯茎にぶつかるところまで伸びてきてしまう場合もあります。

 

 

 

 

 

3.かみ合わせのバランスがわるくなる

 抜けた歯の側は食べ物がうまく嚙み切れなかったり、すりつぶせなかったりします。そのまま放置すると抜けてない側ばかり使ってしまい長時間にわたり、偏りのあるかみ合わせを続けるとそちら側が過重負担となります。結果、歯を支える骨や歯茎の歯周病が進行したり、歯が破折してしまうこともあります。

 また、歯の喪失によって嚙み合わせバランスが崩れ、咀嚼効率が低下すると柔らかめの食材や献立に偏った食事になりがちです。柔らかめの食材・献立は、脂肪・炭水化物が中心のものが多いですし、そういった偏食からの栄養の偏りに繋がり、ひいては生活習慣病に移行する原因ともなるのです。

 

 

 

 

 

 そして、このような状態になってから補綴(ほてつ)治療を始めると、さまざまな問題が出てきます。

補綴(ほてつ):歯が欠けたり、亡くなった場合にクラウンや入れ歯などの人工物で補うこと

 

 

 

 

 

 このように、本来、歯が抜けた(抜いた)箇所のみ補綴をすれば早かったのに周辺の初期治療が必要となってくると治療期間、通院日数ともに3倍以上、時には一か月で済むようなものが1年ほどかかることも少なくありません。まったくの元通りにとはならないにしても欠損を補綴して今現存する歯を最大限に生かして口腔機能を復元するまでに、必要な治療の多さに、患者さん自身があきらめてしまい、途中で治療を中断をすると、次に口腔機能に支障ができて受診したときには、さらに複雑な治療が必要となってしまうことも多々あります。

 

 一本の歯が抜けた、あるいは抜いた後で、1本や2本歯がなくても噛むことにそんなに支障がないからと放置せずに欠損補綴に早めにとりかかり、補綴完了まできちんと通院することは、末永く自分の歯をなるべく多く保存し、口腔機能を健康に保つことにつながります。

 予防にウエイトのかかった歯科受診が大切なことは多くの人々に共有される認識となってきていますが、すでに喪失した歯を補綴治療して口腔機能を復元することもたいせつであり、その欠損補綴治療がその後の予防に直接つながることも忘れないで新たに認識していただくことが肝要です。

 

 

 

 

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